第50回静岡ホビーショーで「竹ピンセット」を参考出品しましたが、磁気を帯びない自然素材のピンセットということで、お客様の反応も上々、こちらも発売が決定しました。
竹林です・・ 写真を見ているだけで、なんだか落ち着きます。
竹のピンセット・・と聞くと、軽く思えてしまいますが、京都の竹を使用した一本一本「手作り」のピンセットで、京竹工芸(京都竹工芸品協同組合)の竹工房職人が手がける、歴とした「工芸品」と言っても過言ではありません。
製造工程
原竹 真竹
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竹きり 直径100mmあたりのものを選別(中程)
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油ぬき 苛性ソーダで煮る
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天日乾燥 紫外線で緑色(葉緑体)を抜く
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割り 幅を揃える
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へぎ 厚さを揃える
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粗取り 大まかなピンセット形状に成形
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接着 粗取りした板を貼りあわせる
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成形研磨 本体の研磨、形状作り
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曲げ加工 ピンセット先端にそりをつける
仕上げの研磨です。先端と後端部分を一本一本手作業で研磨していきます。
先端は力が集中しやすい点で挟む形状、後端のラウンド形状は凹んだ施工面に便利で、持ち替えてスクイージーとしてお使いいただいたり、エポキシパテの形状出しに使えます。竹の細工物は分業制で、あら取り、細工、削りならしは竹工房で行います。
HASEGAWA TRYTOOL と品番は、 レーザー加工機によるマーキング。
製造工程で特に職人さんが気にするところ・・
研磨作業は写真の通りすべて手作業で行われます。 竹材料は工業製品と異なり素材のばらつきが大きく、設計図面通りに寸法を出してゆくのは大変難しい。自然素材の竹を手作業で仕上げるため、ピンセット一本一本の表情が異なります。
ですので、お持ちのペーパーで自分のお好みの形状に整えることもできるわけです(注意:合わせ目は削らないでくださいね)。それが「竹」という自然素材の良いところではないでしょうか。
竹材料について・・
京都西山・洛西(らくさい)で切り出された、手入れの良い真竹を使用。洛西は降水量が多く、寒暖の差が大きいため良質の竹が育つそうです。真竹はタケノコを採る孟宗竹とは違い、強度・材料特性に優れています。竹は3年ほどで成長するので環境に優しいエコ材料。乾湿の影響を受けにくく、歪みが発生しにくい。繊維内に保水能力があることから、静電気を帯びにくいという性質もあります。
古くから弓、扇子、茶道具など、竹細工の素材として最も多く用いられている真竹は、表面に光沢があり、変形がないという性質から、そのほとんどが、工芸品や細工物に使われるため、年間を通して、良質な真竹を確保することが難しくなっています。
京都市内にある竹工房より、真竹の輪切りと、工芸品の花かごと茶杓をお借りしました。こちらも秋のホビーショー、トライツールコーナーにて展示いたします。是非竹工芸職人の技を、見ていただきたいと思います。
京竹工芸 HP http://www.kougei-kyoto.jp/kougei/takekougei.html