久能山東照宮

5月の第50回静岡ホビーショーで参考出品した「金箔・銀箔」フィニッシュに対するお客様の反応は思いのほか良く、発売が決定し生産へと進んでいる段階です。

「金箔」というと、金閣寺など歴史建物を思い浮かべますが、ハセガワでは模型を持たないことから、使用用途について悩み、これは「模型の枠を超えたご提案」をして行こうと考え、地元静岡の「久能山東照宮」に本殿撮影の許可をいただき、春のホビーショー後の某日、取材してきました。

久能山東照宮は、50年に一度の大改修が、平成13年から20年まで7年掛けて行われたばかりで、平成22年、「国宝」に指定されました。

日本平までは車で行き、山頂からはロープウエイに乗ります。

国宝に指定されたことで、観光客が増えたとロープウエイを運営する静岡鉄道の方。

社務所を通り、楼門へ向かって階段を上ります。

鼓楼、神楽殿、神庫の前を通って日枝神社本殿へ。 髪の長い巫女さんが参拝していました。

 いよいよ本殿入り口。 門には金箔を貼った飾り金物が輝いています。

平成22年12月、国宝に指定された久能山東照宮本殿です。

50年に一度の大改修は、漆の塗り替え、極彩色の彫刻や絵、飾り金物など全て一新。

屋根の枕木に施工された金箔の輝きに、目を奪われます。

塀や瓦の「葵の御紋」は、全て金箔貼りなのだそうです。

極彩色の「彫刻や絵」は5色の岩絵の具を使い、ぼかすなどして多くの色を表現。

社殿は当時最高の建築技術・芸術が結集された「権現造」の様式で、日光東照宮を始め全国に多数造営された東照宮は久能山東照宮が原型とされました。また、棟梁を担当した中井正清はその生涯で名古屋城、仁和寺、二条城など重要な建造物を手がけ、久能山東照宮は中井正清の晩年の傑作であるという評価から、平成22年国宝に指定されています。

海側から東照宮へ行くには、正面に整備された一本の登山道を歩きます。社殿までは1159段の石段があり、地元では(いちいちご苦労さん)と親しみをこめて呼び、東照宮の職員も巫女さんもロープウエイは使わず、毎日石段を登って来るのだそうです。

久能山東照宮の宮司さんは、国宝といえども守るばかりではなく、全国に紹介していかなければならないという、開かれた考え方の人で、本殿の撮影やHPへの掲載、秋のホビーショーでのパネル展示、製品への掲載も「どんどんやってください」と言っていただきました。

出されたお茶の茶碗には、葵の御紋が入っていました。

取材後に紹介課の担当者と打合をせさせていただきました。金箔に関する質問が中心でしたが、漆の塗り替えや、彫刻、飾り金物など詳しく説明してくださいました。

金箔に関してもっと詳しく知りたい場合は、久能山東照宮の改修を手がけた日光の業者をご紹介いただきました。後日電話で担当の方に問い合わせし、金箔に関する質問の流れから、貴重な「飾り金物」を貸していただけることなりました。

金箔を貼った飾り金物の実物を、手に取って見る機会などなかなかないことです。10月13日から千葉幕張メッセで開催される、全日本ホビーショーで展示しますので、トライツールコーナーで、本物の装飾品を是非ご覧ください。

第51回 全日本模型ホビーショー 開催場所:幕張メッセ 9ホール
<業者招待日>10月13日(木)10:00~16:30、10月14日(金)10:00~16:30

<一般公開日>10月15日(土)9:30~17:00、10月16日(日)9:30~16:30

次回は、パールフィニッシュ、そして京都の竹ピンセット。金沢の箔職人さんを取材しましたのでレポートいたします。

協力:久能山東照宮 HP http://www.toshogu.or.jp/

カテゴリー: 未分類   パーマリンク