フレキシブルカッターの「使い方」

フレキシブルカッターの「持ち方」

▲フレキシブルカッターは、今までのカッターナイフとは「切り方」が違います。
持ち方と筆圧(力加減)に慣れていただき、練習していただく必要があります。

1. 先端ユニットの差し込み部にあるハンドルとの段差に指を当て、筆を持つ要領で握ります。

2. ハンドルを常に垂直に保ち、小指を机などに添えながら、安定した筆圧で切り進めます。

Point!: 使い始めはアプリケーションシートなどのシートを用意し、緩やかなカーブを切ってみてください。次第に独特な刃の動きと筆圧に慣れ、感覚としてつかめますので、徐々に小さな形状や複雑な曲線のカットに挑戦していきます。

◆威力を発揮するのが班迷彩や蛇行迷彩◆

※写真のように垂直に立てて切り進めます。わりと強めにゆっくりと切る感じです。

第二次大戦当時の斑迷彩、蛇行迷彩、まだら迷彩やスポット迷彩など、型紙にアプリケーションシートを貼り、「迷彩柄を切り抜いて」塗装する場合に便利です。刃自体がコマのように回転するので、切る方向に刃が追従してくれます。持ち替えたりハンドルを回すことなく、自由な曲線のカットが一筆で可能です。


鈴鹿市伝統工芸の「伊勢形紙」をご存じでしょうか。

伊勢形紙は、友禅やゆかた、小紋などの柄や文様を着物の生地に染めるのに用いる伝統的工芸用具です。その歴史は古く、室町時代には使われていたそうです。和紙を柿渋で加工している形地紙に、小刀で丹念に彫り抜いて作られますが、彫りの技工は、高度で熟練した技術と忍耐が要求されます。
使用する小刀は、刃を両側から竹などで挟んだもので、昔から彫り師が使用しているものですが、刃先が鈍った時には、砥石でとがなければいけません。一人前に研げるようになるには1年かかると言われています。フレキシブルカッターを使用することで、伝統的な伊勢形紙職人に近づくことができるかも知れません。


詳しくは、伊勢市ホームページ 「伝統産業」


◆威力を発揮する迷彩のけがき◆

迷彩を筆塗りする方には、けがいてアタリを付けるのに有効です。複雑な迷彩になればなるほど、フレキシブルカッターが威力を発揮してくれます。

★製図用コンパスに装着!★

もう一つの使い方が、製図用コンパスに装着して使用できることです。

1. 先端ユニットをハンドルから引き抜いてコンパスに装着するだけで、小円から大円のカットが自由自在です。
※コンパスをご購入される場合は、先端ユニットの仕様をご確認の上ご購入ください。
■先端ユニット: 長さ28mm×外径∅5.4mm(刃と差し込み部は含みません

コンパス側に差し込む部分:
内径∅3.5mm

Point!: 写真では見えにくいですが、始点と終点がピッタリ合っています。固定式で大きな刃を使用している円カッターとは違い、製図用コンパスに装着した場合に、小型の刃が切る方向に追従するので、円の始点と終点がズレません。製図用コンパスは精度が高いので、どんなサイズの円でもきれいな正円がカットできます。
コンパスにフレキシブルカッターを使った方法が、正円の切り方ではベストです。

★「 スクリーントーン」を切ってみる!★

手書きでマンガやイラストを描かれる方は、スクリーントーンの切り抜きにお勧めです。
調べによると、パソコンのソフトを使ってタブレットやマウスでマンガやイラストを描く方が増えているようですが、まだまだ半数くらいは、手書きの線にこだわって描かれています。


手や指を回すテクニックによってカットしていた今までのカッターナイフとは違い、「フィルムのカットと曲線の切りやすさ」に驚き、きっと手放せない道具になります。


メンテナンス、刃の研磨、替え刃の交換

フレキシブルカッターの鋭角で強靱な刃(ハイス)は、研がなくても切れ味が持続する刃物です。刃の軸(根本)への油差しを欠かさないメンテナンスと、切れ味が落ちた場合の刃の研磨。最終的に替え刃に交換することで、長期にわたってご使用いただける工具です。

メンテナンス

先端のハイスが根本を軸として、コマのようにくるくる回転する構造ですので、常に油ぎれが起こります。2時間、3時間と連続してご使用される場合は、作業をはじめる前にマシンオイルを塗っておいた方がよいでしょう。
※生産行程では、ハイスの根本、スプリングにマシンオイルを塗ってセットし、出荷しています。


1. ハンドルから先端ユニットを引き抜き、ユニットのネジを緩めて分解し、ハイスを取り出します。

2. 綿棒にマシンオイルを含ませ、ハイスの根本に塗り込む感じです。あまり大量にマシンオイルを塗りますと刃先に流れてきますのでご注意ください。

▲注意:オイルは必ずマシンオイルをご使用ください。マシンオイルは、ホームセンターなどにある一般的な「サビ止め」のご購入をお勧めします。



■刃の研磨

使用する刃は、高速で金属材料の切削を可能とするために、工具の材料として開発された高速度鋼(ハイス)を使用していますので、長期にわたって切れ味が持続します。

▲注意:~刃を研ぐ判断をする前に~

1、垂直を保って切っているか。 2、根本の油が切れてないか。 必ず確認してください。※切れ味が悪いと感じる原因は、刃の根本の油が切れている場合がほとんどです。持ち方が原因の場合も多く、常に垂直を保って切ることで刃がスムーズに回転し、研がなくても長期にわたってご使用いただけます。

▲注意:製品にオイルストーンは含まれていません。オイルストーンは製図用オイルストーンの購入をお勧めします。

1. 先端ユニットを分解し刃を取り出します。オイルストーンにマシンオイルを一滴垂らします。

2. 砥石に刃が接する角度(5度~10度)程度当て、砥石に沿わせながら両刃を軽く数回、慎重に舐めるように研ぎます。(※研ぎ終わりましたら、刃の油をきれいに拭き取ってください)

3. 替え刃にスプリングを付け、根本にマシンオイルを少量塗り、ユニット後部に差し込み、ユニット前部を被せてネジを締め、ハンドルに差し込んで完成です。

▲注意:職人が研いだ極小の刃ですので、研ぐ作業は慣れていただく必用があります。


■替え刃の交換 (製品には替え刃が1本付属します。)

1. ハンドルから先端ユニットを引き抜き、ユニットのネジを緩めて分解し、ハイスを取り出します。

2. 替え刃の根本にマシンオイルを少量塗り、ユニット後部に差し込み、ユニット前部を被せてネジを締め、ハンドルに差し込んで完成です。

▲注意:替え刃や先端ユニットなど、各部品の別売は行っておりません。ご了承ください。



フレキシブルカッターは、今までにない「新しい刃物」

班迷彩や蛇行迷彩に限らず曲線を切る作業には、デザインナイフを持つ手や指を回すテクニックで補っていましたが、やはり限界はあります。フレキシブルカッターは、デザインナイフではできない部分で、確実に威力を発揮してくれます。


長年模型を作ってこられた皆様にとって、新しい道具を手にし、使いこなすわくわく感。

フレキシブルカッターはそんな思いにさせてくれる、新しいカッターナイフです。


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