F-104シリーズ戦闘機は世界で初めて
マッハ2の壁を破った迎撃戦闘機として知られています。
原型のXF-104は1954年2月に初飛行するや、
「人間の乗ったミサイル」の異名をとり、
1958年5月には2,259km/hの世界最高速を記録し、
当時世界で最も速い戦闘機として注目を集めました。
1959年に日本は老朽化の進むF-86セイバーの後継機として
F-104を国産化することを決定しました。
これがF-104Jで、F-104Gの部品をもとに組立てられたものが
最初の日本版スターファイターです。
続いて29機がロッキード社による部品供給を受けてノックダウン生産がされ、
1962年5月8日に初飛行を果し、以後は三菱重工業によって生産されました。
これとは別に2人乗りの練習機F-104DJが20機アメリカから輸入されました。
日本では憲法によって攻撃性の兵器の所有が禁止されているため
F-104JはAIM-9サイドワインダーミサイルと翼下に燃料タンクを装備し、
迎撃用戦闘機として使用されました。
また、エンジンや武装も国産化がはかられ、
J-79エンジンは石川島播磨重工業、
JM-61バルカン砲は日特金属工業によってそれぞれ生産されました。
F-104Jスターファイターは合計210機が生産され、
1980年代中頃まで日本の防空任務に就きました。
岐阜において保管されていた一部の機体は
無線操縦用に改造されて飛行していました。
<データ>
乗員:1
全長:16.69m、(除ピトー管)
全高:4.1m
全幅:6.68m (翼端燃料タンク無しの場合)
翼面積:18.22m2、自重:8,387kg
全備重量:13,054kg
エンジン:J-79-IHI-11A
推力:4,549kg (アフターバーナー使用時7,170kg)
最大速度:マッハ2.2 (高度11,000m)
着陸速度:278km/h
最大上昇率:海面基準で15,200m/min
実用上昇限度:18,300m
航続距離:2,220km
固定武装:JM-61バルカン砲X1